「竹鶴政孝とリタ夫人の愛の物語」
「結婚してほしい、リタ。君が望むならここに留まる覚悟でいるんだ」
「いいえ、あなたには大望があるはず。 私たちは日本に行くべきです」
そんな竹鶴政孝とリタ、二人の愛の誓いがやがて生み出すのが、
日本の本格ウイスキーの歴史を切り開くことになるニッカウヰスキーなのだ。
広島県の醸造家に生まれた竹鶴政孝はやがてスコットランドに留学。
そこで出会ったスコットランド人女性のリタは、
家族や親戚の反対をおしきって、日本で本格的ウイスキーを
つくるという夢を果たすため、政孝とともに日本へ向かった。
スコットランドの蒸溜所で実習を積み重ね、
夢と生涯の伴侶をたずさえて帰国した政孝。
以来、政孝は幾多の困難をも乗り越えて、国産本格ウイスキーの誕生に奔走する。
一方リタは、望郷の思いを抱きながらも「帰りたい」と言ったことは一度も無かった。
リタの健康を心配し一時帰国を政孝が勧めても
「ワタシは日本にいるほうが幸せ」と政孝に寄り添い、支え続けた。
着物を着て、かつらまでかぶり、日本料理をマスターし、
完全な日本人になろうと懸命に努力するリタ。
しかし、戦争はそんなリタにさえ冷たかった。
スパイと疑われ軍に監視され、子どもたちからは「アメリカ人」と石を投げられた。
いっそのこと眼と髪を黒く、鼻を低くしてしまいたい。
そんな思いで肩をふるわせるリタを政孝はだまって抱きしめるのだった。
常にお互いを尊敬しあい、気遣ってきた二人。
その二人の夫婦愛が品質第一主義をつらぬきながら、
数々の苦難を乗り越えてきた力のみなもとになっていたのかもしれない。
今、政孝とリタは余市を見下ろす美園の丘に静かに眠っている。 墓石には二人の名前と
IN LOVING MEMORY OF RITA TAKETSURUの
英文が刻まれている。
October 31, 2007
お酒
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ほうほう。